役に立たないフリーランスの話 その1.プロローグ

2000年から2003年まで環境共育事務所カラーズ発行のメールマガジン「Colors of Natute」に不定期連載していたシリーズ「役に立たないフリーランスの話」その1.です。

(その20まで、順次掲載していきます)

 1993年に勤め人をやめて8年が過ぎた。「環境共育事務所カラーズ」という名称の個人事業主だが、実態は「慢性失業」の延長でしかない。いまやもう「毎日同じ所」に通うという体質になっていない。「毎日スーツを着る、ネクタイを締める」という習慣もない。仕事の依頼があるときだけ働き、なければ家や近所でブラブラ過ごしてしている。あるいは旅に出てしまう。

 勤めていたYMCAを辞める決心をしたときに「環境教育という分野で食っていきたい」旨を大学時代の先輩に相談したら、「労働と納税は国民の義務やぞ!」と言われた。YMCAのトップには「カスミを食って家族と生きるのか?それとも托鉢か?」とも言われた。でも8年間飢えていないし、クルマのローン以外に借金もないし、子どもも元気に成長しており、(少額だが)納税もし、国民年金も国民健康保険も(ナントカ)払っている。8年間に海外への旅は20回を越えているし、家族での海外旅行にも8回行った。(じまん)

 以前、経済人類学の先生が「狩猟採集民のひとたちの労働時間は1日数時間。文明化するにしたがって労働時間が長時間化してきた。」と言っていた。本来の人間らしい、必要最小限の生活を営むためには1日数時間労働で良いのではないか。

勤め先に拘束され「休みをとる」のではなく、基本的に全部自由で「働く日や時間を決める」のがフリーランスだ。このシリーズでは、私と我が家の「フリーランス」としての考え方と実態を皆様にお知らせしたいと思っている。あらかじめお断りしておくが、これは皆様の生活にはほとんど役に立たない話かもしれない。そしてあんまり真面目に受け取らないでほしいし、おすすめも出来ない。「21世紀の生き方」のひとつの姿と思って見つめて欲しい。

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