転載:河北新報「耕英地区へ仮設道路 宮城県、突貫工事を決断」

耕英地区へ仮設道路 宮城県、突貫工事を決断

 岩手・宮城内陸地震で集落に通じる道路が寸断され、孤立した地域住民41世帯102人が全員避難している宮城県栗原市栗駒の耕英地区について宮城県は18日、「市道馬場駒の湯線」を県単独で復旧させる方針を決めた。村井嘉浩知事ら県幹部は「苦労して農地を開拓してきた耕英の人たちを絶対に見捨てない」として突貫工事を決断した。必要に応じて山林を切り開き、仮設道路を敷設する。

 耕英地区に通じる主要ルートは、市道馬場駒の湯線と県道築館栗駒公園線の2本。2ルートとも複数個所で土砂崩れが起き、道路が寸断された。

 県道は「崩壊した土砂量があまりにも多く、復旧まで数年かかる」(土木部)と試算し、早期復旧を断念した。

 県と栗原市は、ルート確保の可能性を探るために17日、市道の合同調査を実施。大小合わせて計6カ所の土砂崩れや陥没を確認したが、路面補修や仮設道路の取り付けを行えば通行可能と判断した。

 市道上にある耕英地区南部の地滑り陥没地点は、市道耕英開拓線を補修して迂回(うかい)ルートを確保する。

 荒砥沢ダム上流部の大規模土砂崩れ部分のへりを巻き込むように尾根沿いを通る部分について県は、独立行政法人土木研究所に安全性調査を依頼した。地滑りの専門家が21、22の両日、現地を踏査する。

 調査で土砂災害の危険性があると診断された場合、県は既存ルートの北側に位置する国有林内に仮設道路を敷設することも検討している。

 県は「孤立している耕英地区への道路を確保することが急務。将来に不安を抱いている避難住民のためにも早期に着手したい」としており、土木研究所の意見を参考にルートや着手時期を決める。

2008年06月19日木曜日?

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