くりこま高原自然学校被災情報 080627

皆様 

 広瀬 敏通 :発

今日は避難所生活で渇望してきた一時帰宅が実施されました。

耕英地区41所帯から40人ほどの枠で大型ヘリが稼動しました。

3時間という限られた時間でしたが、真っ赤に熟れたイチゴを持ち帰ったり

心配していたイワナ生簀の湧水が無事だったことなど、

避難所は終日、明るい話題で持ちきりだったようです。

とりあえず、良かった!

でも、これが避難所の鬱屈を慰撫するだけの住民イベントになること

の無いように、孤立した地区との継続的な接続になり、

苦労と工夫にあふれていても自分の力で働ける日常への接続に

なるように気を抜かずにいけることを願っています。

帰ってきてすぐに避難所には、明日も帰宅がOKという報せが入りました。

次には98名の枠が有るという話です。

耕英地区は41件、約100人の開拓の集落です。

ほぼ全員が帰れるということですが、無理な方もいるので

自然学校では4名の枠をもらいました。

さてそこで、せっかくだから熟れた旬のイチゴを持ち帰ろう

ということになりました。

明日持ち帰るイチゴの用途は何もまだ考えていないのですが

せっかくの被災地での生き延びたイチゴなので、なるべく多くの

方々に届けられればいいなと思います。

肝心の本格的なイチゴプロジェクトのXデーはまだ見えていませんが

私の元に多くの方々から、『いつなのか教えて!』という問いが来ています。

現状は現地作業許可?直前まで知らせてもらえない流れですが、

昨日今日の帰宅を見れば、耕英地区現地ではむしろ問題は無く、

作業の場合の歩き道となる途中のルートつくりが課題となっています。

しかし、歩きルートは山の中で危ない箇所は迂回できますから、

その気で準備すれば十分可能です。行政が現状と将来の生業への

十分な理解をしてもらえるよう、強く望みます。

現在、被災地への支援は『金・人(ボランティア)・プロジェクト』の

3つの方法があります。

《金》は『くりこま高原支援基金』(以下)もあるし、

取り扱い金融機関⇒「ゆうちょ銀行」

●口座名「くりこま高原自然学校支援基金」

●口座番号  00870−0−134900

耕英地区で開設している

【口座】ゆうちょ銀行記号 18130 番号 9701021

耕英地区振興協議会復興基金

もあります。

《人》は、ボランティアのことですが、

現在、耕英地区住民の避難している『みちのく伝創館』に設置された

ボラセン(地域たすけあいセンター)にはボランティアが少なく、

常時、10名ほどが不足しています。

さらにXデーは数日間必要と思われ、人海戦術なので

数十人/日ほどが必要と思われます。

これらの申し込みは、市の社協との申し合わせのために、

自然学校関係者というかたちで申し込みを受付しています。

最後は《プロジェクト》関連の支援です。

さまざまな創意あふれる支援の方法を考えてください。

日本エコツーリズムセンターでは、自然学校の佐々木さんらと

話し合って、『震災エコツアー』を企画しています。

多くの人が現地の魅力と被災の姿に触れて、自然災害と人の営み

を我が身に置き換えられるような想像力を養う体験に出来るよう、

考えています。実施はおそらく7月下旬からになるでしょう。

被災地耕英との長期戦となる復興への道のりをともに歩むアイディアを

考えてください。

じつは近代から現代までの大きな自然災害を蒙った地は、そのご、

メディアなどの関心があるあいだはそこそこ話題にもなりますが、

時間がたつにつれ、ドンドン墜ちていきます。

特産品も観光も被災前の水準に戻りません。

阪神も中越も例外ではありません。

耕英も5年後、10年後を見て、今動くことが必要です。

厳しい言い方かもしれませんが、躊躇は大きな後悔になるはずです。

ぜひ皆さんも耕英に120%の応援をしてください。

それがちょうどの効果につながるでしょう。

最後の《プロジェクト》支援は私たちの知恵の働かせどころです。

同時に、「限界集落』とよばれるゆっくりとした被災に対しても

自分ごとに考えていくことが必要でしょう。

これは日本という社会の崩壊につながりかねない問題だからです。

今回の『岩手・宮城内陸地震』(ネーミングは何とかならないものか・・・)

は、地元の広域合併した栗原市内でさえ、被災地区は限定的で

感覚としては自分ごとに思えない見方が大勢だと感じました。

日本全体が想像力の欠如という病にかかっています。

貧困や被災を自分ごと置換できる感性を磨くために

各人が自分が出来る方法を常に考えるような社会にしていきたいと

思います。

がんばろう耕英!

がんばろうくりこま!

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広瀬 敏通

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