役に立たないフリーランスの話 その4.マッキントッシュが仕事の道具

 フリーになって8年、そして同様にアップル社のマッキントッシュを使い続けて8年になる。フリーでやってこれた要因のひとつにこのマッキントッシュの存在がある。それまでワープロ「RUPO」から始まってPC-9801(通称:キューハチ)の時期があったが、マックに乗り換えて初めて真の「パーソナルコンピューター」の意味が分かった。「キューハチ」時代は機械に人間が合わせるのではなく、マッキントッシュは使い手の求めるように動いてくれる「道具」だったからだ。

 私の最初のマック「IIvx」は特に紙面レイアウトでよく働いてくれた。これがあってこその注文が来た。環境教育関係の紙面づくりの仕事をこなしてくれて、そしてもっと高速なMacとノート型のPowerBookを購入するための資金をつくってくれて引退した。次に購入した高速な「Power Macintosh 6100/60AV」はビデオの取り込みや出力も出来た。「ワークショップの記録ビデオを編集して欲しい」という要望に応えてくれたし、「こどもエコクラブ」の会員手帳(年間ダイアリー)誌面レイアウト(DTP)の仕事もした。全国のこどもエコクラブの子どもたちに配布された手帳の版下は、実は我が家のMacでレイアウト作業がされ、近所の「出力屋」で製版フィルムに焼き付けられ、東京の印刷会社の印刷機にかけられたのだ。そしてこのようにして2年後にさらに高速な「Power Macintosh 8500/180」を購入する資金をつくってくれた。

 いまは「Power Macintosh G3 400/DVD」というマシンがメインになっている。そして夫婦1台づつの新旧iBook。実は他に引退機種や、その後中古で購入したコレクション用(としか言いようがないのが残念だが)の機種もあり全部数えると12台にもなる。それぞれに思い出があり、使い馴染んだ万年筆のようだ。

 世の中はウィンドウズ全盛だが、Macに触れたことがない人は心から可哀想だと思う。実は両者には大きな隔たりがある。それはただの「仕事のための機械」としてか、「仕事の機会」を産みだしてくれるものかという人間とのつきあい方の違いだ。

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