栗駒・耕英ルート 迂回路で通行可能 来月開通検討
岩手・宮城内陸地震で、道路が寸断された宮城県栗原市栗駒の耕英地区へのルートを確保するため、宮城県が優先的に復旧を目指す「市道馬場駒の湯線」について、土木研究所(茨城県つくば市)が22日、調査に入り、「一部に迂回(うかい)路を設ければ、通行は可能」と判断した。県は7月下旬にも開通させる方向でスケジュールの本格検討に入った。
県の依頼を受けた土木研究所の藤沢和範上席研究員が現地で調査した。分析によると、市道が通る栗駒沼倉の斜面で幅50センチ、長さ50メートル程度の亀裂が2本見つかった。
藤沢研究員は「長い時間をかけてずり落ちる可能性もある」として、亀裂に近い場所は通行を再開せず、仮設道路を設けるよう助言した。
県などによると、迂回路が必要なのは1キロほどの区間で、市道から最大で200メートル程度北側に離す必要がある。
県は「分析を踏まえて、安全なルートを確保したい」としている。
被災地で多発している「土砂ダム」について藤沢研究員は「川の傾斜が緩く、上流にある一部の土砂ダムを除いては、土砂の中に1?3メートル級の岩も多くみられる。土砂の厚みもあり、土石流化する心配はほぼない」と指摘した。
2008年06月23日月曜日