役に立たないフリーランスの話 その5.最初の仕事

 1993年秋、「環境共育事務所カラーズ」の名前を掲げてもスグに仕事が来るわけではなかった。そんなときに、私のアメリカの環境教育施設の報告会を聴きに来ていただいて、つい数ヶ月前に知り合った京都市役所勤務の方が、「こんな仕事あるけどやってみないか?」と声をかけてくださった。京都市周辺の自然環境の社会的価値の調査であった。元請けは自然系のコンサルタントで、そちらは自然環境の自然の価値の調査で、いわば分担してレポートを書いたわけだ。

 100万円の仕事だったが、元請けから20万円を5ヶ月にわたって分割していただけるという条件だった。(普通はこの手の仕事は報告書を納品してからしかお金がもらえない。)失業保険の給付もそろそろ終わりが近づいていたので、これはほんとうにありがたかった。

 「成果品を期限までに出す」こと以外は時間の使い方は自由だった。こんな風に仕事を請け、仕事を遂行すればやっていけるのだなという実感が湧いた。

 飛び込みで営業廻りをしても「あんた誰?」からしか始まらない。でもちょっとした出番や機会を通じて自分のことを理解してもらえれば仕事につながる可能性が出てくるのだ。

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