岩手・宮城内陸地震で、避難生活を送る宮城県栗原市栗駒の耕英地区住民に対し、支援の輪が確実に広がっている。避難所のみちのく伝創館で24日に地区住民らが開いた「くりこま耕英復興プロジェクト」の初会合には、大規模災害の復旧支援経験者も駆けつけるなど、多彩な“援軍”が顔をそろえた。
耕英地区住民のほか、日本財団や市内のまちづくりNPO法人「夢くりはら21」メンバー、県や市の社会福祉協議会職員ら約30人が参加した。地区に残されたイチゴやイワナを移動させた後、加工して販売・発送することを想定して郵便事業会社築館支店にも参加を呼び掛け。支店長らが出席した。
プロジェクトの中心メンバーで、民間野外活動施設「くりこま高原自然学校」の佐々木豊志校長(51)は「ブログや、学校の活動を続ける中で築いた人とのつながりが生きた」と話す。
会合では、名古屋市内の災害救援NPO法人「レスキューストックヤード」の栗田暢之代表理事(43)が、2007年の新潟県中越沖地震などで復旧活動に携わった経験から助言。「栗原市当局との協力が重要。住民の意思が行政に伝わると、復旧へのいろいろな方法が考えられるようになる」と述べた。
佐々木さんは「地区住民の中に多様な分野の人が入り、復興について話し合えたのは大きい」と手応えを感じている。
地区住民らはイチゴやイワナを移動させる計画について25日、市に協力を求めた。一時帰宅の実現なども要請した。
2008年06月26日木曜日