くりこま高原自然学校被災情報22  080703

皆様

  広瀬 敏通 :発

今月5日と設定した「イチゴ収穫作戦Xデー」が急遽、延期になって以来、

さまざまな不安や徒労感の漂っていた耕英地区住民避難所の伝創館でしたが、

昨日、災害関係の民間専門家、研究者の方々が集まり、住民50人と

2時間に亘って意見交換をしました。

このミーティングは住民の皆さんにとっても佐々木さんにとっても、

ターニングエポックとなるいい刺激を得られたようです。

阪神の震災以来、さまざまな復興基金や助成事業が作られましたが、

それらの制度は画一的な適用制度であるため、個々の災害の持つ、

きわめて特異な状況に対しては、逆にそれが壁となって、仮設住宅入居も、

修復費用補助も受けられない人が続出するという現象を生んできました。

道路修復一つとっても、住民にとっていかに重要な道であろうと、

その道が国道か市道かはたまた私道なのかという違いで、大きな差が出てきます。

開拓の村では自分たちで道をつけた人も多く、それは現状では修復すら

適わないということになります。

ようは、さまざまな復興事業がいくらあろうと、住民側から「こうしてほしい。

これが大事なんだ」という声が見えてこなければ、期待とは裏腹な結果しか

出てこないという話です。

避難所で座して悶々としているよりも、地区が声を合わせて、

復興に一丸となることで道が開けるという流れが住民の皆さん全体のなかに

浸透した話し合いになったようでした。

そこでさっそく今朝の住民集会では、「耕英地区復興協議会」(名称は未定)のよう

組織つくりをしようということになりました。

従来の自治会、区とは違う役割の住民組織です。

ここが対行政、社会への窓口となって、情報もドンドン発信して

いけるし、地区再建の取り組みの核となる組織として役割を作っていけるでしょう。

先の見えない住民の皆さんにとって、『自分が動くことで周りを動かす!』

というシンボルにもなります。

現在、今年度の主要作物であるイチゴの収穫は極めて厳しい状況下にあって、

焦燥も悔しさもありますが、前向きなアクションを着実に作ることで

それを乗り越えていけるでしょう。

Xデー延期決定にともなって、佐々木さんが行政に対し、辛らつな意見を

強く述べたことが結果として、厚い壁に小さな穴を開けたようで、

明日の夜に、道路開通の見通しなどについての説明会が突如、

開かれることになりました。

情報は本来、隠すべきものなどありません。歴史上のさまざまなパニックは

情報遮断によって起きています。

今後とも、こうした説明会や話し合いの場が持たれ続けることを期待します。

皆さんから寄せられた『くりこま高原自然学校支援基金』(郵貯)は

熱いメッセージとともに実の多くの方々が応えてくれ、

驚くほどの義捐金が寄せられています。

本当にありがとうございます。佐々木さんも『泣きそうだ』と

つぶやいております。

がんばろう耕英!

がんばろうくりこま!

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広瀬 敏通


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