環境共育事務所カラーズからのごくあたりまえな主張

私たちは先祖伝来の土地で、その水系の水を飲み、土地を耕して米や野菜をつくり、家族とともに健康で心豊かな暮らしをしていくというのが、当然で基本的な権利です。
私は、「公害地域の今を伝えるスタディツアー」を2年間やってきました。そこではいまも健康被害や社会的差別に苦しむ地域住民の方々の話を伺ってきました。富山・神通川流域、そして新潟・阿賀野川流域です。
福島県でまたその苦しみが繰り返されようとしているのです。
富山では、カドミウム汚染土壌の復元に莫大な税金と原因企業からの補償金を投入し、30年の歳月がかかりました。新潟でも、その苦しみの解決や流域の自然界値への復元に、莫大な労力と資金を投入しました。
いま、某発電所は、イタイイタイ病原因企業、水俣病(熊本・新潟)原因企業よりももっと広範囲に、もっと深刻な健康被害(人類のみならず、地球上のいきものすべて)をもたらしています。
それは一私企業ではなく、大きな公共的使命をもった企業であり、かつまた国のエネルギー政策の推進のカタチだったのです。
「想定外の天災によるものだから」が言い訳になるはずがありません。これは安全が保障される前提だからこそ成り立つ言い訳で、いまやその理由・言い訳は通用しないでしょう。
こんな過ちを繰り返さないために、政治的、経済的、社会的、技術的、科学的、法的、教育的…、あらゆる手段を講じて、社会の大きな舵取りを行っていかねばなりません。
なんども繰り返し書いておきます。
「私たちは先祖伝来の土地で、その水系の水を飲み、土地を耕して米や野菜をつくり、家族とともに健康で心豊かな暮らしをしていくというのが、当然で基本的な権利です。」
これは太平洋の片隅の、そして大陸のそばに寄りそう列島弧に生きる私たち、そしてこれから生まれ来る子孫たち、そして人類社会、市民社会の根底からの願いであると信じています。

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